名前が数字に変わった日10
本来、保釈の進捗状況は
伝える義務も必要も警察には無い
それは本来は弁護士の役目になる
それでも、こうして教えてくれたのは
何十回としてきた取り調べの中で子供や家族への愛を話し続けてきた故の情みたいなものだったのかもしれない
何の偶然だったのか
担当の刑事は私と同じ歳で、子供の人数も同じだった。
よく刑事の子供たちの話も聞いた
子育ては苦労も多く大変だけど
その反面、可愛くてかけがえの無い宝だ
そう嬉しそうに話す刑事が
とても眩しくて、輝いて見えて
その陰に居る自分が
情けないほどちっぽけに思えた。
一緒に居てあげる事すら出来ずに
今も寂しい思いをさせているのだから