名前が数字に変わった日14
家に着いて
一ヶ月ぶりに子供たちと会えた
当たり前の事が
どれほど幸せな事か
この時ほど痛感した瞬間はない
元々、立派な親では無かった
父親としての意識とは別に世間体でいえば
きっと自分はダメな親だったと思う
それでも久しぶりに触れた子供たちの頭は
やんわりと温かくて、その体温を手の平で感じた時は胸が張り裂けるほど痛く軋んだ
家の慣れた匂いも
子供たちの笑い声も
ずっと食べたかった手料理も
全てが眩しくて、嬉しくて
でも
それと同時にものすごく怖くなった
目を閉じたら
また、あの独房に戻ってる気がして
保釈されて帰宅したこの日は一睡も出来ず、
留置所内でずっと書いていたノートを読み返しながらひたすら今の気持ちを書き綴っていた。